テトを祝う会

日々出会う声を、短めにリポートします。


 1月17日、日本ベトナム友好協会秋田支部が主催する「テトを祝う会」におじゃましました。「テト」はベトナムの旧正月のこと。2026年は2月17日にあたるそうで、一足早いお祝いでした。

 いくつかの円卓に日本の人々とベトナムの人々が混ざり合って座りました。この日参加したベトナムの人々はおよそ20人で、多くは秋田市の日本語学校や秋田大学で学ぶ10代、20代。県内で働く人もいます。ベトナム人と日本人の両親と一緒に参加した子どもの姿もあり、日本人の参加者から「大きくなったねえ」と声をかけられていました。

 技能実習生として来日している人にもお話を聞きたいと思ったのですが、この日は参加がありませんでした。協会スタッフによると「実習生は企業に所属しているため、なかなかつながることができずにいる」とのことでした。

 私は10代の女性Fさんの隣に座り、一緒に折詰を食べました。Fさんは都内で日本語を学んだ後、秋田大学に進学し、4年間土木を学びました。春からは都内で働きます。将来的にはベトナムに帰り、国のインフラのために働きたいと考えています。秋田大学で土木を選考したのも「ベトナムのために、役立つ技術を身につけたい」との思いからでした。

 私が知らないベトナムのことを、Fさんはいろいろ教えてくれました。Fさんはベトナムの農村部の出身で、両親は農業を営んでいます。ベトナムでは地域によって農業の機械化が進んでいないところもあり「若い人たちで農業をやりたいという人は、あまりいません」とFさんは話しました。

 ベトナムと日本は年金制度が異なっていることもわかりました。日本では20歳を過ぎると年金への加入を義務付けられますが、ベトナムの年金制度は職種によって「強制加入」「任意加入」があり、農業や個人事業主は任意加入となっています。保険料を負担することが経済的に厳しいなどの事情から未加入の世帯も多く、Fさんは「将来は私が経済的に両親を支えたい」と言います。

 Fさんは間もなく秋田を離れますが「仕事をするのは東京だけど、住むのは秋田がいいです。秋田の人は優しい」と話していました。

 秋田県のまとめによると県内で暮らす「在留外国人」は5745人(2024年末時点)。ベトナム出身の人が最も多く、1058人となってます。

 日本人にも話を聞きました。
 協会に所属する友人から誘われて参加したという秋田市の女性は、排外主義の高まりについて、不安を語りました。

 「身近な人と話していても、最近は自分のような(排外主義に反対するという)考えの人が少ないと感じます。こういう場にくると自分だけではないと思うけど、(世間では)マイノリティですよね」。それでも女性と同じく排外主義に反対する声に、この日は多く出会うことができました。

 衆院選が突如、行われることになりました。
 公示は1月27日、投開票は2月8日。取り組むべき課題が山のようにある中、巨額の税金と労力を投じて選挙を行うのだといいます。衆院選にかかる費用は前回2024年、約720億円に上りました。

 直近の2025年7月参院選は、「日本人」ではない人々への差別を煽る政党に引っ張られるように、排外主義を競い合う戦いとなりました。秋田で暮らすベトナムの人々とひととき交流し、一人一人の顔を思い出しながら、この人たちを苦しめるような選挙、政治にしてはならないと思いました。

【参考資料】
・秋田県国際交流協会サイト https://www.aiahome.or.jp/pages/page-1488462838-83
・ベトナムの年金制度について
https://oi-files-cng-v2-prod.s3.eu-west-2.amazonaws.com/vietnam.oxfam.org/s3fs-public/file_attachments/%5BFull%20report%5D%20Overview%20of%20the%20Social%20Insurance%20System%20in%20Vietnam.pdf#:~:text=The%20regulation%20that%20the%20minimum%20income%20for,they%20cannot%20afford%20to%20participate%20in%20SI.
https://www.vietnam.vn/ja/dua-chinh-sach-bao-hiem-den-nong-dan
・秋田県の在留外国人数 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/4012
・衆院選にかかる費用 総務省「2024年度(令和6年度)一般会計予備費の執行状況」(2024年度決算時点)よりhttps://www.soumu.go.jp/main_content/001029073.pdf
https://www.soumu.go.jp/menu_yosan/yosan.html#r6

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